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Council report
時差Biz協議会レポート
平成29年度に開催された、時差Biz協議会の実施レポートです。
第1回 快適通勤プロモーション協議会
当日のプログラム
GWを目前に控えた4月28日(金)、東京駅前の丸ビル7階の丸ビルホール&コンファレンススクエアで
「第1回 快適通勤プロモーション協議会」が開催された。
この協議会は、快適通勤ムーブメントを広く周知し、機運の向上を図ることを目的として開催され、
当日は35団体(民間企業10社、鉄道事業者12社、4団体、国4省、特別区5区)が出席した。
『時差Biz』は
働き方改革実現のキーワード
小池知事による快適通勤ムーブメントの取組紹介
午前10時30分、民間企業、鉄道事業者、自治体などの参加者約200名の熱気が漂う中で、「第1回 快適通勤プロモーション協議会」がスタートした。まず、小池知事から今回の協議会の主旨、目的の説明として、「快適通勤ムーブメントの取組紹介」があった。「学生時代に降車駅で降りられず、隣の駅まで連れて行かれたことがありました。満員電車に乗らない生活をしたいと考え、海外でスキルを身に付ける道を選びました」とユニークなエピソードを交えて、満員電車が当たり前となっている現状を改革する必要性を語った。「快適な通勤を実現することで、快適に仕事に取り組むことができ、生産性向上に繋がる。そして家族と共に楽しい生活を送ることができる。更には、育児・介護との両立や女性活躍の後押しとなるなど、働き方改革という大きなテーマの一環であり、誰もがいきいきと活躍できる『ダイバーシティ』実現の大きな鍵になる」と説明を続けた。このような社会の実現に向けて、多くの人に快適な通勤を実感してもらうため、7月11日から25日まで「朝が変われば、毎日が変わる」というキャッチフレーズのもと、快適通勤ムーブメント『時差Biz』を実施するとしたうえで、「このムーブメントを成功に導くためには、企業、鉄道利用者の皆さまにも同じ意識を持っていただき、一斉に取り組みを進めていくことが肝心」として協力を呼びかけた。さらに、「快適通勤ムーブメント」参加企業、団体への表彰制度や7月24日に国が開催する「テレワーク・デイ」との連携についても言及し、「都民、そして国民の皆様方の働き方に関する意識を変える、大きなムーブメントを起こしていきたい」と意気込みを語った。満員電車が過去のものとなり、働き方改革を実現していく、「快適通勤ムーブメント」の成功を祈念して、「快適通勤ムーブメントの取組紹介」を締め括った。
経済団体の挨拶
小池知事の「快適通勤ムーブメントの取組紹介」の後、東京商工会議所 副会頭 中村満義様から参加者を代表して挨拶をいただいた。「この快適通勤ムーブメントを成功させるためには、鉄道会社、利用者、企業が力を合わせることが大切で、より多くの企業が参加することで大きな効果が発揮できます。そのためには賛同、参加企業を増やしていく必要があります」。
「商慣習の見直しや社内制度の導入などクリアすべき課題も多いが、それを乗り越えながら、働き方改革の大きな一歩として捉え、首都圏交通混雑の解消、ライフ・ワーク・バランスを実現し、企業の生産性向上に繋げていきたい」と締め括った。
参加企業の先行的な取組
司会者より本日の参加企業、団体名が紹介された後、参加企業の取組紹介として、サントリーホールディングス株式会社 人事部 部長 千 大輔様より講演をいただいた。
「2010年からワークスタイル革新として、S流仕事術を実践しています。これはSuntoryのSの他に、Slim、Speedy、Smartの意味を持ち、それを実現させるために、働きやすい制度の構築、ITの活用、風土醸成の3つを柱として展開しています。働きやすい制度の構築としては、以前からのフレックスタイムのコアタイムをなくして利用しやすくするほか、外部と契約し、都内30カ所程度でのサテライトオフィス利用を可能にしています。また、テレワーク推進にも注力しており、利用者は2010年当時の約300名から10倍以上の約3500名へ増加しました」。
「どんな制度でも自由度を高めると、マネジメントへの負荷が高くなります。それを解消するためにITを活用して勤怠状況の見える化を進めるほか、テレビ会議に自宅からも参加可能とするなど、環境整備を進めています」。
「ただ単に、制度や仕組みを変えただけではワークスタイルの革新は思うようには進みません。しっかりと根付かせるために、研修やナレッジサイトを通じた情報提供など意識改革・風土醸成にも力を入れています。そうしたことを通して、社員自身が自分にとってどういった働き方が最適かを考えられるようにしています」。
「全社を挙げてワークスタイル革新を進めています。以上が当社の取り組みとなります。」と講演を締めた。
参加企業の先行的な取組
取組紹介としてもう1社、東京急行電鉄株式会社 取締役執行役員鉄道事業本部長 城石文明様より講演をいただいた。
「現在1日当たりの利用者は319万人で年々増加傾向にあります。最混雑区間の朝ピーク1時間の混雑率は、輸送力の増強や大井町線への分散により、2007年198%から2011年181%まで低下しましたが、その後は増加傾向で推移しており、180%以下という国の一つの目標値を上回っております。また混雑率の増加に伴い、慢性的な遅延が発生しておりますが、これらを解消することを重要な経営課題と捉えております。」
「現在、都心方面への輸送力増強と併せて、乗車時間、移動手段、働く場所を選んでいただく取組を実施しております。乗車時間としては、朝7時までに田園都市線の各駅の自動改札機を通過し、都心部の駅で降車した場合、1ポイント1円相当の東急ポイントが50ポイントもらえる『田園都市線早起き応援キャンペーン』を実施しています。1カ月は平日が約20日なので、毎日早起きすると1000円分のポイントがもらえます。移動手段としては、池尻大橋~渋谷間を含む電車定期券をお持ちの利用者は、地上の国道246号線を走行するバスを追加料金なしでご利用いだける『バスも!キャンペーン』を実施しております。朝ラッシュ時は約1分に1本間隔で運行されており、バス専用レーンもあることから、比較的スムーズに目的地に行けます。利用者からは「会社に近いバス停で降りることができて便利」といった声などをいただいています。働く場所としては、2016年5月より会員制サテライトオフィス『NewWork』の運営を開始しています。会員の方は提携しているシェアオフィスを含めて計63カ所で働くことが可能です。4月より、直営6店舗において、朝9:30まで無料にするキャンペーンを実施しています。
自社の取組としては、通常9時30分の始業時間を7時30分から10時30分までの間30分単位で繰り上げ、または繰り下げできる『スライド勤務制度』のほか、1時間単位で取得できる『時間休暇制度』も導入しています。また本年度は5~9月のサマータイム期間において朝7時30分までに出社した場合、軽食相当分のインセンティブを支給いたします。当社従業員へのオフピーク通勤促進のほか、朝型勤務の習慣化による生産性の向上と、ゆう活の更なる推進によるワークライフバランスの実現を目指しております。」
最後は、「これからも様々な施策に取り組み、引き続き混雑緩和に努めてまいりたいと思います。」という力強い言葉で講演を締め括った。
協議会のプログラムは順調に進行し、
最後は小池知事を中心に参加者が「快適通勤ムーブメント」の成功を願い
記念撮影をして、協議会は閉会した。
次回は7月上旬に「第2回 快適通勤プロモーション協議会」が予定されている。