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Award

平成30年度時差Biz推進賞

ワークスタイル部門受賞

ユニリーバユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社

受賞理由

受賞理由

平成28年7月1日から、働く場所・時間を社員が自由に選べる新しい働き方「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」を導入・推進。この制度を利用することで、育児・介護といった特別な理由がなくても、時差通勤や自宅または近所のシェアオフィス・カフェ・図書館などでの勤務がいつでも何回でも選択可能となった。また、働く場所の選択肢を全国に広げ、地域を超えた人材交流を促すことで、これまでにない新しい発想やイノベーションを生み出し、新事業や地域創生につなげる取組も開始している。

ユニリーバ

誰もが生き生きと自分らしく働き、豊かな人生を送れるようにしたいという働き方のビジョンを持つユニリーバ・ジャパン。そこから生まれたのが「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」に代表される、さまざまな取組だ。同社は自社で柔軟性の高い制度を活用するのみならず、社会全体の「働き方」を変えていきたいと活発な動きを見せている。WAAを中心としながら、広い範囲で働き方改革に取り組む同社の現状を、ヒューマンリソース 人事マネジャーHRビジネスパートナーである福井様に伺った。

時差Bizを続ける理由

ユニリーバ
ヒューマンリソース
人事マネジャー
HRビジネスパートナー
福井 茂貴様

社員一人ひとりが自分らしく生き生きと働き、個々のパフォーマンスを最大限発揮していけるようにするために導入されたという制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」。平成28年から取り入れられた、働く場所も時間も自身で選択できるという自由度の高いこの取組は、いまやユニリーバ・ジャパンにすっかり定着している。社内調査では92%が一度でもWAAを実施しており、「新しい働き方がスタートしてから毎日の生活が良くなった」「生産性が上がったと感じる」等の声も数多く聞かれているという。
「WAAを取り入れてみたら確かな効果が得られた。そして社員も制度そのものを歓迎している。さらには自社のビジョン達成にもつながっていくわけですから、この流れを止める理由はありません」(福井様)
だからこそ時差Bizへの参加も続け、そのムーブメントにも乗りながらWAAをさらに進化させていきたいという。そしてWAAのような働き方の社会的な認知も高めていきたいと同社は願っている。

具体的な取組内容

ユニリーバ
毎月1回、Team WAA!メンバー限定の
セッションを開催している

昨年に引き続き、WAAのさらなる推進にも尽力している。同社の取組は自社内にとどまることなく、他社にも拡がっているのが特徴的だ。平成29年1月には、WAAのビジョンに共感する企業・団体・個人のコミュニティネットワーク「Team WAA!」を立ち上げている。現在までに1,000人以上が参画しているというこの「Team WAA!」では、毎月セッションを行い、新しい働き方に関する意見交換やセミナー開催、組織について議論などを行っている。開始当初はユニリーバ・ジャパンが主催となっていたが、現在では独自の事務局が発足し、自律的組織として活動を進めているとのことだ。
この「Team WAA!」では、時差Biz期間中に当たる7月に「リモートワークのリアル」とのテーマでセッションを実施。8月には宮崎県児湯郡新富町の「こゆ地域づくり推進機構」との共同企画説明会を催した。その企画とは、9月から11月まで、毎月「Team WAA!」のメンバー3人が現地を訪問し、普段と違う場所で自分の仕事をしながら、新富町のコミュニティとも交流することで、新たなイノベーションの創出や地域活性化に取り組むという、パイロットプロジェクトである。
なお、夏の時差Bizには、大崎駅前で「ベン&ジェリーズ ミニカップアイスクリーム」を通勤する人に無料配布。早朝出勤にちょっとした楽しみを与える活動も行った。

時差Bizに期待すること

ユニリーバ

「時差Bizは連続して夏に実施されていますが、年間を通して実施すれば毎日もっと快適に通勤できるはずです。そのため今年の冬の時差Bizは『通年』を意識するのに良いと思いますね。時差Bizを活用して、働く時間のフレキシビリティをさらに高めていくことは、非常に意味あることと感じています」
時差通勤は夏だけでなく、いつやってもいいもの。その意識が、冬の時差Bizを契機に広がり、ムーブメントに参加する企業もさらに増えていくと良いという福井様。そして時差通勤を始め、習慣化していけば「時差」をつくることへのハードルも低くなる。「実際に行動を起こしてみて、意外と気軽にできることに気付けば、自発的にその先の進化を考えるようにもなるでしょう」
WAAの柔軟性の高さはすでに周知されているが、今同社の社内では、社内有志が集まり、「さらに柔軟性を高め、自分らしく生き生きと働けるような制度にできないか」というディスカッションを重ねているという。この自発的な取組を、人事部内ももちろんサポートしていく考え。ユニリーバ・ジャパンは、働き方を自分で選ぶマインドセットを、社員一人ひとりが主体性を持って推進し続けている。

Column

「自分らしく」がベースとなって整えられた諸制度

ユニリーバ
エントランスには、
同社が大切にしている価値観を示す
キーワードが散りばめられている

WAAの根底にあるのは「Be yourself(自分らしく)」の精神だ。それはWAAに限られたものではなく、企業全体を支える精神としても揺るぎなく存在している。そのため、ユニリーバ・ジャパンの人事制度は「自分らしく生き生きと働く」ために整えられたものが多い。
例えば新卒採用制度にしても同様である。同社は昨年から365日24時間、オンラインでいつでもどこからでも応募できる、通年採用をスタートさせた。大学1年から既卒3年以内まで応募できるようにし、選考や入社の時期も選べるようにすることで、自分がキャリアを考えたくなったタイミングで、自分のペースで就職活動を行えるよう配慮した。また、ユニリーバ・プライド・ジャパンというプログラムも実践。同性パートナーを持つ人も、異性パートナーを持つ人と同様の福利厚生が受けられるなど、LGBTの人々に向けた制度や施策を充実させている。
同社の目指す「働き方」のあり方はWAAを代表として語られることが多いが、その他の制度も「自分らしく」の考えにすべてが紐付いているといえるだろう。